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禁止プロット

禁止プロット

 

人間誰しも禁止されるとやぶりたくなるもの。

規則やルールなども、つい、やぶりたくなるのが人情です。

 

そして、多くの人は、規則やルールを作った権力側に

嫌悪感を持つのではないでしょうか?

 

規則やルールを作るのは権力者です。

それを守るように強要されるのは弱者です。

 

そこには、弱者が権力者に立ち向かうような対立構造が生まれます。

 

そして、

弱者が勝ち、

権力者が最後に痛い思いをすればスッキリします。

そういうプロットは、読んでいて痛快ですし笑えます。

 

このプロットのポイントは、

 

「舞台設定」

「失敗エピソード」

「仕返しエピソード」

 

の3段構成になっているところです。

 

【第1段】舞台設定

・まずはルールを設定します。

・ルールが出来た背景なども説明します。

・ルールを破ろうとする人物が登場します。

 

【第2段】失敗エピソード

・うまいルール破りの方法を思いつきます。

・それを実行しますが失敗します。

・他の方法を実行しても失敗します。

 

【第3段】仕返しエピソード

・権力者に仕返しする方法を思いつきます。

・それを実行します。

・権力者はやられます。

 

 

 

 

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■禁止プロット

【第1段】

 

〇〇が禁止となったお話。

 

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

(舞台設定を書く)

 

 

【第2段】

 

〇〇〇は、どうすればいいか考えた。

 

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

(失敗のエピソードを書く)

 

 

【第3段】

 

〇〇〇は、仕返しを考えた。

 

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

(ラストシーンへと書き進めます)

 

 

 

 

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■落語『禁酒番屋(きんしゅばんや)』はこんなお話

 

【第1段】舞台設定

 

お酒が禁止となったお話。

 

ある藩で、酒の上の刃傷沙汰が起きたというので、

藩士一同に禁酒令が出された。

 

しかし、なかなか禁令が行き届かず、

隠れてチビリチビリやる者が続出。

 

そこで、

城門のところに番屋を設け、

出入りの商人の持ち込む物まで厳しくチェックされることになり、

いつしか、人呼んで「禁酒番屋」ができた。

 

 

家中第一の飲んべえの近藤という侍、

屋敷内ではダメなので、

町の酒屋でグイッと一気に三升。

 

禁酒令糞くらえで、

すっかりいい心持ちになった。

 

まだ飲み足らず、

酒屋の亭主に、

何とか工夫して番屋をかいくぐり、

拙者の小屋まで一升届けてくれ

と頼む始末。

 

 

【第2段】失敗エピソード

亭主は、どうすればいいか考えた。

 

もとより上得意のことでもあり、

無下には断れない。

 

見つかれば営業停止を食らうし、

第一番屋を突破する方法を思いつかない。

 

困っていると、

番頭がうまい知恵を出す。

 

「五合徳利を二本菓子折りに詰め、

カステラの進物だと言って通ればよい」

という。

 

「まあやってみよう」

というので、

早速店の者が番屋の前に行ってみるが……。

 

番人もさるもの。

 

「家中屈指のウワバミにカステラの進物とは怪しい」

と、折りを改めていると、徳利が出てきた。

 

「これ、この徳利は何じゃ」

 

「えー、それはその、水カステラてえ新製品で」

 

「水カステラァ? たわけたことを申すな。

そこに控えおれ。中身を改める」

 

番人はそう言って、一升すっかり飲んでしまった。

 

「これっ、町人。けしからん奴。

かような結構な……いや、けしからんカステラがあるか。

あの、ここな、いつわり者めがっ」

と番人は酔っぱらって言う。

 

カステラで失敗したので、

今度は油だとごまかそうとしたが、これも失敗。

 

 

【第3段】仕返しエピソード

 

亭主は、仕返しを考えた。

 

二升もただで飲まれ、

腹の虫が治まらないのが酒屋の亭主。

 

そこで若い衆が、

 

「今度は小便だと言って持ち込み、

仇討ちをしてやろう」

と言いだす。

 

徳利のなかに小便を入れて、

番屋を通る。

 

いつものように亭主は止められて、

中身を改められる。

 

「へい、中身は小便です」

 

正直に初めから小便だと言うのだから、

こちらに弱みはない。

 

「……ご同役、実にどうもけしからんもので。

初めはカステラといつわり、

次は油、またまた小便とは……これ、控えておれ。

ただ今中身を取り調べる。

……今度は熱燗をして参ったと見える。

けしからん奴。

小便などといつわりおって。

かように結構……いや不埒なものを……手前がこうして、

この湯のみへついで……ずいぶん泡立っておるな」

 

番人がゴクゴクと飲みはじめる。

 

「……ややっ、これは小便。

けしからん。かようなものを持参したのか……」

 

「ですから、初めに小便と申し上げました」

 

「うーん、あの、ここな、正直者めが」

 

 

 

 

※下記の掲示板に、

 

このプロットを使ったショート小説を書いてアップしてみてください。

長くなったら、2回か3回に分けて掲出してみてください。

 

 

 

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    品田尚宏 PN ヒカミリュージ (土曜日, 23 3月 2019 01:44)

    【第1段】ソースが禁止された話

     反抗的な社員達を権力で抑えるため、なんでもかんでも禁止したがる社長がいる。
    「塩分は体に悪い、よって今日からソース禁止」
    「あー、そーっすか」
    「なんだお前、なにか言いたいことがあるのか」
    「いえ、別に……」

    【第2段】社員達は、どうすればいいか考えた

    「おい、どうする」
    「そう言われてもなぁ」
    「だいたい、ウチは食品会社だぞ。これじゃ新商品の開発に影響する」
    「あれはソース無しでは成り立たないぞ。昔、たまたまソースを切らしていて、マヨネーズを多めに使ったことがあったが、脂っこくて食えたものじゃない」
    「次の報告会まで時間がない。これに間に合わなかったら、発売中止に追い込まれるだけだ」
    「よし、俺に任せろ。その代わり、辞表を叩きつける覚悟もしておけよ」
    「分かった」

    【第3段】社員たちは、仕返しを考えた

     そして、社長の前で新商品の説明会が行われる。
    「報告書は読んだ。製造コストと販売価格に問題はない。だが、この商品名を変える気はないのか」
    「もうインターネット上に公開されていますからね。誰が情報を漏らしたのやら……」
    「だからと言ってお前、新商品の名前が『ソース焼きそば(ソース抜き)』と言うのはないだろ」
    「まぁ、そーっすね」
    「そんなに俺が気に入らないか」
    「そーっすね」
    「売れなかったら、お前に責任を取ってもらうぞ」
    「そりゃ、そーっすね」
     この商品は全く売れず、存在だけが噂される幻の商品となってしまう。

  • #2

    品田尚宏 PN ヒカミリュージ (日曜日, 24 3月 2019 02:01)

    【第1段】メタフィクションが禁止された話

     江戸時代の長屋において、何故かメタフィクションが禁じられてしまう。
     困ったのは作者……ではなく、登場人物である。
    「しかしあれですね、大家さん。昨日まで好き勝手に話せていたのに、急に話しづらくなりやしたね。なんです、メタフィクション禁止ってやつは。あっしに教えてくださいよ」
    「なんだい、急に。そんなことより、今月の店賃(たなちん)はどうした。今月だけじゃないよ、先月も先々月の分も払ってないじゃないか」
    「店賃って何ですか」
    「いいか与太郎、お前にも分かりやすく教えてやるが、店賃と言うのは現在で言う所の……おおっと、危ない」
     大家は慌てて口を抑え、辺りを見回す。
    「誰も見ていませんって、今なら言えますよ。さぁ、教えてくださいよ」
    「その手に乗るか。お天道様が見てるんだよ」
    「今日は曇りですよ。それに、お天道様って何ですか」
    「お天道様というのは、つまり太陽のこ……おおっと、危ない」
    「この辺りまでなら、いいみたいですね」
     大家の額を冷や汗が伝うが、与太郎は平然としている。
     突如発令されたメタフィクション禁止令には罰則が設けられており、役人に見つかると多額の罰金を徴収されてしまう。それを逆手に取り、店賃(家賃)を滞納している与太郎は、大家にメタ発言をさせようとする。
    「あたしの財布から小判が出て行っても、お前の懐に入るわけじゃないんだよ」
    「この時代はクレジットカード決済なんてできやせんから、月々の家賃は現金払いですな。まぁツケ払いなんてのもありやすが、それはまた別の話。え、貨幣価値や物価から比較すると、こんなケチな大家が小判を所持しているのはおかしいですって。まぁ、そう言ってやりなさんな。大家だって見栄張ってんだ。貴方の所の大家だって、札束を持ち歩いている訳じゃないでしょう」
    「おい与太郎、誰に向かって言っているんだ。こっちを向け、ここには第4の壁があるんだ」
    「するてぇと、1つ目から3つ目はなんです。妖怪ぬり壁、ウチの長屋の薄い壁、ベルリンの壁ってところですかい。そうすると4つ目は、誰もが持ってる心の壁」
    「無理やり別作品の台詞を引用するんじゃないよ。いいかい、4つの壁というのは、あたしの後ろに控える壁、お前の後ろに控える壁、それと、そこの奥にある壁のことだよ。それだけ知ってりゃいいんだから、与太郎は与太郎らしく、間抜けな顔してりゃいいんだよ」
    「あっしは大家さんよりマシな顔をしてやすぜ。それだけじゃねえ、大工仕事をしたり、商売をしたりと、色々と活躍してまさぁ、ことあるごとに店賃(家賃)の催促しかできねぇ大家さんとは大違いだ。こりゃつまり、マルチタレントってことじゃねえですか」
    「放っておけばベラベラと、お前はそんなお喋りじゃなかっただろうに」
    「この機会に落語の世界を越えて、漫談に進出しようと思いましてね」
    「いっそ、戻ってくるな」
    「戻ってくるな、これはいいことを聞いた。それじゃ、あっしはこれで帰りやすから、後のことはよろしくお願いしやす」
    「お、おい」
     引き止めることもできず、与太郎は平然と大家の家を後にする。


    【第二段】大家は解決方法を探る

    「なんだいまぁ、長々と。さんざ時間を使わせて、店賃を払わずに帰りやがった」
    「こんちわ、今月の店賃を持ってきやした」
    「おお、熊さんかい。与太郎のことで相談があるんだけどね。時間はあるかい」
    「参ったなぁ、あっしは忙しい身なんですぜ」
    「話に付き合ってくれたら、十文(じゅうもん)やろうじゃないか。それでどうだい」
    「あ、急にヒマになった。では、前金でお願いしやす」
    「まったく……」
     大家はしぶしぶと小銭を払い、家賃を払いに来た熊五郎を引き止める。
    「なるほど、そんなことがあったんですかい」
    「ようするに、私が金を持っていることを知っているから、罠にはめて金を絞りだそうと言う魂胆だよ。それに対して、与太郎には蓄えがない。その日暮しだから、罰金を取ろうにも取れやしない。自分の懐に金が入らなくとも、私が金を失えば、うさ晴らしができる。困った仕組みだよ」
    「与太郎の家に千両箱でも放り込みゃ、一夜にして大金持ちになり、浮かれたアイツは役人の前でベラベラ喋ってボロを出しますぜ。罰金を払って痛い目見りゃぁ、少しはおとなしくなるでしょうよ」
    「その金、誰が用意するんだい」
    「あっしに言われても困りやすぜ」
    「そもそもあれは、本当に与太郎なのかい。まるで別人じゃないか」
    「今まで、ロクな扱いを受けてこなかった反動じゃねえでしょうか。与太郎と言えば間抜け、多くの噺(はなし)でそう言われ続けたら、誰だって嫌になりやすぜ。全く、キャラクター設定なんてものは、もうちょっと自由であるべきなんだ」
    「しっ、声が大きい。役人に聞かれたら面倒だ」
    「おおっと、これはいけねえ」
    「妖怪ぬり壁、長屋の薄い壁、ここまではいい。だが、あと2つはなんだい。若い衆は知らないだろうし、最後のに至っては、一部の人にしか通じないじゃねえか」
    「あっしも知りやせんぜ。ベルリンの壁たぁ、どんな壁ですかい」
    「お前は知っているだろ。そうやって若者ぶるんじゃないよ」
    「おっといけねぇ、ここらで時間でございます」
    「ああ、分かった分かった。もうちょっと出すから、最後まで相談に乗っておくれ」
    「へい、では相談に乗りやしょう」
     物欲しげな顔をしながら、熊さんは両手を合わせて大家の前に差し出す。金をくれという仕草である。
    「それで、どうしたらいい」
     課題の解決方法を探るたびに、新たな課題が見つかる。2人は熱心に話し合うが、結論は出そうにない。
    「色恋沙汰はない。そこまで女に人気があるわけでもない」
    「金で釣るにしても、その金を用意するアテがない」
    「困ったもんだね」
     しばらく相談は続いたが、ふと熊さんが口を開く。
    「あっ、こう言うのはどうでしょう」
    「それはいい、与太郎を捕まえて放り込もう。熊さんの知り合いに、腕っ節が強い奴はいるかい」
    「そう言うことなら、任せてくだせえ。紹介料として、ちいと値が張りますがね」
    「やれやれ、また金か……」
     文句を言いつつも、大家は熊さんに金を払って依頼する。

    【第三段】大家の仕返し

    「え、ちょっと、あっしが何をしたって言うんです」
    「いいから、来い」
     突如、家に押し入ってきた屈強な男達に腕を捕まれ、与太郎はどこかへ連れて行かれる。
    「親分、連れてきやした」
    「ご苦労」
     土間に放り出された与太郎は、辺りを見回すが、周囲の人間は与太郎に対して威圧感を放っている。
    「ほう、おめえか。ずいぶんと冴えない顔をしているが、本当にできるんだろうなぁ」
    「な、何のことですか」
    「とぼけるな」
     その声だけで与太郎は震え上がる。周囲を見回すと、腹にサラシを巻き、背中に刺青を入れた屈強な男たちが胡座をかいて座っている。
    「こ、ここはもしかして……」
    「賭場(とば)に決まってるだろうが」
    「おめえも、やったことがあるだろう。2つのサイコロを振って、出た目の合計が奇数か偶数かを当てるだけの簡単な丁半博打だ。ここで、出る目を当ててくれれば、無事に返してやるが、外れた場合は、どうなるか分かってるんだろうな」
     丁半博打の予想屋として連れて来られた与太郎だが、賭け事に勝った試しがない。周囲の圧力も加わり、連敗してしまう。
    「そろそろ逆転しないとストーリーが盛り上がらないから、この次こそ、半が来るはずです」
    「丁」
    「ほほう、ずいぶんと盛り上がってきたねぇ。あちらさん、連続で勝って大儲けじゃないか」
    「ひぃぃ……」
     その後、与太郎の姿を見たものはいない。
    「冗談じゃねぇ、こんな結末で存在を消されたらたまらん」
    「黙ってろ」
    「は、はい……」

    (完)