『「これだけは、村上さんに言っておこう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける330の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか? 』
という長いタイトルのムック本がありました。
そのなかで、
おもしろいものだけピックアップしてみました。
「自分自身の文章」を書くにはどうしたら良いか?(質問82より)
村上春樹:自分自身の文章を身につけるというのは、とてもむずかしいことです。
しっかりと生きて、たくさん本を読んで、文章を書く訓練をせっせと続けて・・・
それでも、なおかつ足りないという場合が数多くあります。
しかし、変に聞こえるかもしれませんが、自分自身の文章を身につけなくても、小説は書けます。
そのほうがむしろ簡単です。
でも自分自身の文章を身につけるのはほんとうにむずかしいです。
僕も模索につぐ模索を続け、今でも模索しています。
ほんとに。
僕の考える良い文章とは
「ほかの誰とも違うけれど、誰にでもわかる」文章です。
言うは易く、ですが。
がんばってください。
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ムダのない文章を書くコツはなんですか?(質問118より)
村上春樹:コピーライターの命は文章よりは
むしろ「ものの見方」だと僕は思います。
ものの見方がしっかりすれば、文章は自然についてきます。
文章のことは一度忘れちゃったほうがいいのではないでしょうか。
一人の人間の文体というのは、生き方そのものです。
あなたが迷っていれば、文体も迷います。
まず自分自身を正確に把握することが必要です。
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「海辺のカフカ」への自評をお願いします。(韓国からの質問19より)
村上春樹:僕はひとつの小説を書いているあいだは、
そのことだけを集中して考えながら、生きています。
僕はカフカくんの目で世界を見て、
カフカくんの心でそれを受け止めます。
つまりその物語の中にすっぽりと入って、生きているわけです。
だから「海辺のカフカ」という作品は、
すでに僕の一部になってしまっています。
客観的にはなかなか評価できません。
小説執筆の秘訣・努力の仕方は?(韓国からの質問29より)
村上春樹:そんなに容易くできることではないですね。
むずかしいことだと思います。
僕がそのために具体的にやっているのは、
まず生活規則を正しくすることと、健康であることです。
そこからすべてが始まります。
小説を書くというのは、ほとんど肉体労働なのです。
肉体をうまく動かしていくと、
だんだん魂もうまく動くようになっていきます。
最初から魂をうまく動かそうと思っても、
簡単にはいきません。
すごく平凡な回答で申し訳ないのですが。
コメントをお書きください
しろちゃぷ (金曜日, 23 3月 2018 15:09)
文章を書くことは筋トレに等しいといった人がいましたが、小説は筋トレ以前に健やかな身体を作ることが大切なんですね。響くお話ありがとうございます。